ふしみのブログ

英語と旅行のノート

(翻訳) エンジニアとマネージャの振り子

"The Engineer/Manager Pendulum" というブログ記事を筆者の許可を得て翻訳してみました。


最近、Twitter上で何人かのキャリア相談に乗ることがあった。多くの相談はこんな調子だった。

わたしは現在シニアエンジニアで、マネージャになろうと思っている。自分は技術が大好きなのだ。でも、ときどき自分は同じ問題を繰り返し繰り返し解決しているような気がしてしまう。ほんとうに解決すべきなのはヒトの問題 (people problems) なんじゃないか? 昇進するためにはマネージャになる必要があることは知ってる。マネージャになるのは最悪じゃなきゃいいなと思っている。悪い噂ばかり聞くから。

キャリア相談に乗りながら、この記事を書きたいとずっと思うようになった。言いたいことはたくさんあるが、最初に言いたいのは 「マネージャだけがキャリアパスを前に進むことができる」という考えはクソ喰らえ ということだ。そして 「マネージャかエンジニア、どちらかの"レーン"を選び、選んだ道で成長する必要がある」という考えは捨てるべき だということだ。私はこういう「割り当て」のような考え方には全く賛同しない。

エンジニアマネージャとして最前線で活躍できるのは、実際のプロジェクトにハンズオンで注力する仕事から外れてすぐのマネージャだ(長くても2, 3年)。そして最強のICはマネージャ経験のあるIC (IC: Individual Contributor, 部下を持たないエンジニア) である。そしてテック業界の優れたリーダーは両方やる。エンジニアとマネージャー、振り子のように。

私はこのキャリアの振り子運動をすでに数回やってきた。会社で最初のインフラエンジニアとして仕事を始め、技術スタックを構築し、エンジニアチームを構築し、そのチームをマネージし、そして会社をやめて最初からはじめる。そわそわし、落ち着かない感覚になることもあったが、だんだんと自分が何をやっているかわかるような感覚を得ることがあった (それは悪いサインかもしれないけどね...)。

あなたがスタートアップやアーリーステージの会社が好きだったら、もしくはADD (注意欠陥障害) のような性質を持つ人にはこれは良いサイクルだと思う。しかし、キャリアパスとしてこのサイクルについて話す人はあまり見ない。そこで私は、素晴らしく"計画的な"人生のあり方として、この振り子のキャリアサイクルを推奨するためにこの記事を書いている。

(テック領域における) マネージャであること

マネージャに内部昇進することは、カミソリのように鋭いものづくりのスキルをすでに持っているということだ。最初は異なる職務への適応に苦しむかもしれないが、そのスキルは(マネージャとしての)信頼を与える。しかし、これは「テックリード兼マネージャ」としての一時的な栄光を得る方法に過ぎない。本質的に、これは不安定な役職の組み合わせであり、エンジニアリングスキルとある領域に特化したシャープネスは、その職を長く続けるごとに失われていく。

人はいちどに一つのスキルしか成長させることしかできない。エンジニアリングか、マネジメントか。過去の栄光にしがみつくべきではないのだ。

マネジメントはとてもタスク割り込みの多い仕事だ。そして、素晴らしいエンジニアリング (あなたがかつて学んだこと) には、そうしたタスク割り込みをブロックすることが重要になる。それらの正反対の性質を持つ仕事を同時にこなすことは難しい。いつでもタスク割り込みを受け入れ部下に対応できる状態を保つことがあなたのマネージャとしての仕事である。部下たちがエンジニアとして成長できるように、挑戦しがいのある課題から手を離すことを「選ぶ」のがあなたの仕事なのである。

(人々のための) テックリードであること

逆に、世界最強のテックリードはマネジメント経験のあるテックリードである。それは彼らが最強のプログラマであったり、問題解決に優れているからではない。「やっていく」方法を、つまり人とコミュニケーションし、マネージする方法を知っているからだ。テックリードはマネージャでもある。ただ、彼らの最優先事項は手元の課題を解決することであり、そこに働く人を気遣うことではないだけだ。

それでも、テックリードにはマネージャーとしてのスキルセットは必要である。どうやってチームを作り士気を高めていくか、どうやって物事の優先順位をつけ、デスマーチ化したプロジェクトを再始動していくか。テックリードはビジネス的な目標と技術的な奥表を結びつけ、大きな目標を分解する必要もある。テックリードは他のエンジニアの能力を最大限に伸ばし、意義のある課題を繰り出すこと、彼らを潰してしまうことなく、彼らの守備範囲を徐々に広げていくこともできる。それを20人の他のエンジニアにやってみよう。それは立派なマネジメントの仕事になる - ただ、「Xを達成する」という視点を「Xをする人々のケアをする」の代わりに持っているだけだ。

そのようなテックリードは、ふつう何かを作るよりも長い時間ミーティングに出席している。そのことに文句を言っているかもしれないが、実際にそうしている。なぜならコードを書くことは最も良い時間の使い方ではないからだ。技術的なことは彼らの仕事の簡単な部分で、エンジニアの群れを先導することのほうが難しいパートなのだ (Tech is the easy part, herding humans is the harder part)。

この両方のスキルセットを持ったシニアエンジニアは、組織をイチから作ることができる。もしくは会社をイチから作ることすらできる。彼らは何でもできる。そして彼らは希少である。そして彼らのほとんどは、少なくない時間をマネジメントに費やしているのだ。

エンジニアとマネージャの振り子

マネージャとICの間を行ったり来たりすることで身につく幅広さと深さについては、いくら書いても足りない。ICであることは、会社の仕組み (how a company works) について少ない情報からリバースエンジニアするようなものだ。ひとつのリーフノード (leaf node) の視点からだと、たくさんのことがバカバカしく、要領を得ず、非効率に感じる。

マネージャになると、どう会社が回っているのかを理解できる。他の人がどう仕事しているのかを理解できる。居心地の悪い面談のやり方を学ぶ。苛立った、あなたのことが嫌いなエンジニアたちに、必要な仕事をこなしてもらうやりかたを覚える。コンフリクト (利害の対立や衝突) を解決する方法を学ぶ - そう、コンフリクトを解消する方法を学ぶのだ! (正確には、あなたはコンフリクトを切望するようになる - 単純なコンフリクトが解消できるならば、それはたいてい最善の選択肢であるからだ)。疲れ切って家に帰っても、あなたは「自分が自分自身でやり遂げたこと」をひとつも挙げることができないかもしれない。それでもあなたは仕事をしているのだ。

あなたはバグを直したり課題を解決したときに出るドーパミンを恋しく感じる。切実にそれを感じるだろう。

マネジメントについてもう一つ。マネージャ自身やその周りの人がいかに悲惨な状況であったとしても、マネージャを辞めてICに戻ることを非常に難しくしているひとつの「神話」がある。それは「マネージャになることは昇進であること」だ。

マネジメントは昇進ではない

真剣に、この神話にはクソを食らわせたい。この神話はじわじわと感染症のように広がり、たくさんの人をマネージャにしてしまった。いかに彼らがマネジメントを嫌っていて、さらに彼らの会社にメンタリングのできるシニアエンジニアが欠乏していてもだ。

マネジメントは昇進ではない。マネジメントは職業の変更 (a change of profession = 社内転職) だ。マネジメントを始めてしばらくは、自分のマネジメントは下手くそだと感じるだろう。もし下手くそだと感じていなければ、あなたは自分の仕事をしていない。

あなたのエゴイズムのためにマネジメントをすることは、本当はコードを書いているか他に楽しいことを探すべき哀れな人に他のエンジニアを管理させる、最悪のやり方だ。世の中に、いやいやマネージャをやっている人にマネージされるほど最低のことはない。頼むから、IT業界の人々が燃え尽き症候群に至ってしまう理由の一つにならないでほしい。

マネジメントは昇進ではない。マネージャをやめてもなにかの権威や地位を失うことはない。マネージャになるのが幸せであり、周りの人もそれで幸せである限りにおいて、マネジメントを続けてほしい。そうでなくなったらマネージャを辞めて、また何かを作る仕事に戻ればいい。またマネジメントがしたくてうずうずするの待とう。

そしてまた、同じことを繰り返していこう!

charity.wtf

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【まとめ】アイスランド・ロイガヴェーグルトレイルの歩き方

2018年8月にアイスランドのロイガヴェーグル・トレイルを歩きました。

この記事ではロイガヴェーグルがどんなトレイルなのか知らない・興味がある、もしくは「歩いてみたいけど難しそう」と考えている人や、海外旅行も山歩きは好きだけど海外トレッキングは未経験という人向けに、ロイガヴェーグルの推しポイントを自分の視点からまとめてみました。

(この記事は主に日本での登山やハイキング経験者を想定読者として書かれています)

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ロイガヴェーグルトレイルの4つの推しポイント

その1: 常に絶景。

最初の写真は出発地点から1kmほど歩いたばかりの光景です。とくに1日目に綺麗な景色を見すぎて、「このまま私たちは絶景に慣れすぎてしまい、後半になるにつれ自分の中の『絶景センサー』が反応しなくなってしまうのではないか」「日本に帰っても無感動なつまらない人間になってしまわないだろうか」と要らない心配をしたくらいでしたが、実のところ全くの杞憂で、歩けば歩くだまた違う景色が現れるほんとうにダイナミックなトレイルでした。

 

ロイガヴェーグルの中には大まかに4つの全く違う地帯があり、徐々に入れ替わっていきます。

・天然温泉の湧き出すカラフルな山岳地帯 (1日目)

・雪の白と火山灰の黒が映える、別の惑星のような高山地帯 (1日目後半〜2日目)

・一面緑に覆われた原始の地球のようなコケ世界 (2日目後半〜3日目)

・花畑の途中にときどき渡河のある渓流地帯 (4日目)

 

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私たちはひとつひとつを『ステージ』と呼んでいたのですが、途中小高い丘のてっぺんに近づくと、「次のステージ」が徐々に地平線から姿を表していく感覚が、何か経験したことがあるような気がしていました。…帰ってから、クリアできていなかったNintendo Switchの『ゼルダの伝説 Breath of the wild』を起動してみたら、かなり近い体験でした。ハイラルを歩き回るたびにロイガヴェーグルのことを思い出せて便利です。

 

その2: 高低差が少なく長い距離でも快適に歩ける。

ロイガヴェーグルトレイルは、登山ではなくあくまで長距離トレイルです。ルート中に名前のついた山の頂上を踏むことはありません。ゴツゴツした岩稜帯もなく、56kmのトレイルのうちほとんどはフカフカした火山灰質の道です。日本の高山に比べると、安全確保のための特殊な技能や道具が要求されるわけでもなく、自然の中の山歩きを楽しむことができます。

かなりの荷物を背負って運ぶことになるので、さすがに体力的な負担は大きいですが、それでもルートそのものの体力的な難易度は日本の「山登り」の対象になるような山に比べると低いと思います。

標高差でいうと、出発点のランドマンナロイガルの標高は600mほど、そこから1日かけて500m登り最高地点の1100mに達し、残りの区間で900m下りてゴールのソルスモスク (標高200m)に到着します。500mというと高尾山の標高差と同じですから、高尾山1つ分を丸1日かけて登り、2つ分を3日かけて下ることになります。もちろんテント泊装備 (通常20kgほど) があるのでそれなりの体力は必要ですが、日本の山でテント泊を経験されたことのある方には「意外といけそうだ」と思っていただけるのではないかと思います。

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コース標高図。ロイガヴェーグルウルトラマラソンのWebサイトより

 

その3: 日照時間が長いので自分のペースでゆったり歩ける

ロイガヴェーグルが標高に比べて寒冷なのは、もちろんアイスランドが北緯60度という高緯度地域にあるからなのですが、それは夏の時期の日照時間が非常に長いということも意味します。私たちが歩いた8月中旬ごろは比較的日が短くなっていましたが、それでも日没は午後9時30分頃、そして午前3時半にはすでに日が昇っていました。だいたい午後9時ごろには疲れて寝ていたので、トレッキング中は夜空を見た記憶が全くありません。

これだけ日が長いので、歩くスケジュールもかなり自由です。午後2-3時を過ぎてから歩き始めるという人もいますし、アイスランド郊外にある温泉トレイル (2時間ほど) を歩いた時は、午後7時を回ってから出発していた人がいたのには驚きました。銭湯に行くような感覚です。

登山だとどうしても日没というタイムリミットとの戦いになることが多いですが、あまり時間にとらわれず、自由に時間を過ごせるのはとても気持ちいい感覚です。

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夜9時ごろの様子

その4: 山小屋がきれいで設備も充実。トレイル全域にわたり目印があるので歩きやすい

ロイガヴェーグルはアイスランドでも最も有名なトレイルだけあって、とてもよく整備されています。

山小屋の清潔レベルも非常に高いです。布団ではなくベッドですし、定員以上の予約を受け付けないこともありちょっとしたゲストハウスくらいの快適さがあります。シャワーも4つのうち3つの山小屋にあります。そのせいか、(海外トレイルでは珍しくないようですが) 女性比率が日本アルプスよりもはるかに高く、半分まではいかないにせよ3割ほどは女性トレッカーです。

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山小屋のキッチン

水場も充実しています。ちなみにアイスランドの水は清潔なことで有名で、アイスランドは水道水が飲用できる16の国のうちの1つでもあります (トレイル中では水場の水はもちろん、小川の水をそのまま飲んでいる人が多いです)。

ちなみに、ロイガヴェーグルではメインルートの全区間に目印のポールが立っているので、道迷いの不安はほとんど感じることがありませんでした。といっても目印だらけというわけでもなく、見えている目印までたどり着くと必ずその次のポールが見えるように、ちょうどいい間隔を保ってくれています (逆にいえば次の目印が見えていない状態で、それまでの道の方向を元に歩き始めるのは危険です。ちゃんと目印を発見するか、まわりの登山者に道を聞いたりしましょう)。

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青や赤のマークがついたポールを目印に歩きます

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分岐点にはこういう案内板があります

ロイガヴェーグルの注意点

褒めてばかりなので少し悪いところを書きます。

  • 晴れることは少ない。曇りもしくは雨がほとんど。
    ロイガヴェーグルは地形的に雨が多く、日本の夏山のような快晴の景色というのはほとんど見られません。また今回は奇跡的に視界がなくなるような悪天候はありませんでしたが、そういった際には停滞を余儀なくされる場合もあると思います。
  • 食事やカメラ・携帯のバッテリーはすべて持参。
    4日間+予備の食事をすべて持参しなければならず、またバッテリーの充電も基本的にはできません (2日目の小屋はキャンプ泊でもデバイスを預けることで充電させてもらえました)。同じ期間の山行でも、いざとなれば山小屋に頼れる日本アルプス等に比べるとハードと言えるかもしれません。
  • 日本から遠い。
    今更感はありますが、日本からアイスランドへは直行便がなく、合計15時間ほどのフライトが必要です (詳しくはこちら)。私はトレイル4日間+ドライブ旅行3日間+フライトで9日間の休暇が必要でした。土日×2+5日間の有給休暇を取れば行けてしまうということなのです(!)。

 

いかかでしたでしょうか。

アイスランド旅行の写真を整理しながら「せっかくブログというメディアがあるし、早くこの体験を人に伝えられる形にまとめたい」という気持ちを抱えていたのですが、少し書き始めるたびに「こんな文章ではあの感動は伝わらない…」「ああでもないこうでもない」と逡巡してしまい結果的に半年以上時間がかかってしまいました。いっそ「ロイガヴェーグルに行くが少しでも増えるような実用的な記事を書こう」という方向性に切り替えてみることにしたら、案外すんなり書くことができてよかったです。

 

装備編・情報収集編はこちら。

rfushimi.hatenablog.jp

rfushimi.hatenablog.jp

アイスランドでドライブするとどのように最高なのかについてはこちら。

rfushimi.hatenablog.jp

2018年のもうひとつの山行 (黒部テント泊縦走) もよろしければご覧ください。

rfushimi.hatenablog.jp

【情報収集編】アイスランド・ロイガヴェーグルトレイルの歩き方

2018年8月にアイスランドのロイガヴェーグルトレイルを歩いてきました。はじめての海外トレッキングかつ3泊4日のロングトレイルのために調べた情報を書き残しておきます。

書籍

地球の歩き方』のコンパクトバージョン "Plat"。より他の旅行ガイドに近いレイアウトで読みやすくなっていますが、他社がカバーできない行く人の少ない観光地もきちんと掲載してくれてさすがです。

現地に持っていった紙のガイドブックはこれだけでしたが、ロイガ+3日のドライブ観光には十分の情報量でした。アイスランド全土をカバーした小さな地図もついていますし、レイキャビクから遠い観光地もちゃんと載っているので、リングロードと呼ばれるアイスランド1周道路をドライブ旅行する人にもおすすめです。

TRANSITのアイスランド号。この雑誌の中のロイガヴェーグル特集に載っていた写真を見て、「ここを歩きたい!」と強く思うようになりこのトレッキングを計画しました。現在は残念ながらAmazon公式では売り切れ、プレミアが付いているようです。

この本にはロイガヴェーグルに関する情報自体は少ないので、トレッキングに行くことをすでに決めているなら必要ないと思いますが、アイスランドで見たい景色を探したい、という人がパラパラ読むとインスピレーションをもらうことができると思います。どこかで見つけたらぜひ手に取ってください。

アイスランドを舞台にしたジュブナイルミステリ漫画。ストーリー展開はゆっくりですが、アイスランドに住んでいる人や街、自然がとても美しく描かれています。コミックハルタの漫画は全体的に読み込むよりも「眺める」寄りの楽しみ方が好きな人向けなので、少し人を選ぶかも。

旅行記 (日本語)

hop-trip.com

Hot Trip さん。(2018年) 夫婦2人でソルスモスク始点の逆ルートを歩かれています。4日の行程を3日間に短縮したり、忘れたガスバーナーを途中の山小屋で調達するなどなかなか貴重な体験談が満載です。到着地ランドマンナロイガルに天然温泉があるというのはうらやましい。

enjoytravelingsolo.com

Enjoy traveling soloさん。(2018年) ルートの途中状況や高度差などをすごく細かく写真でガイドしています。

blog.livedoor.jp

女登山ノートさん。(2015年) 持ち物リスト等も書いてくださっていて、持っていく食料や防寒着の量など参考になりました。

trailtravelers.net Trail Travellerさん。(2016年) 出発前に読んだ旅行記の中で、総合的に最も参考にしていたサイトでした。世界中のトレイルを歩かれている経験豊富なご夫婦だけあって、情報量が豊富です。

enjoytravelingsolo.com 特にこの記事のバス予約の方法は参考になりました。ここにある通り、TREXというバス会社を利用すると天候不順等で1日出発や到着を遅らせてもメール連絡だけで予約便を変更することができます。やさしさ。。

旅行記 (英語)

www.rockiceland.com

大まかに各セクションを解説してくれているブログ記事。

www.femalehiker.com

女性のソロハイカーのブログ。

公式系Webサイト

www.fi.is

ロイガヴェーグルにある小屋を運営する非営利団体 FERÐAFÉLAG ÍSLANDS の公式サイトです。予約問い合わせもこちらから。FAQは小屋泊しない場合にも読んでおくべきです。

www.laugavegshlaup.is

ロイガヴェーグルウルトラマラソン公式Webサイト。標高差マップが便利です。 ちなみにロイガヴェーグルウルトラマラソンとは、その名の通り56kmのトレイルを走るマラソン大会。普通のトレッカーたちが4日間かけて歩くルートを4時間半くらいで走り抜ける人もいるらしい。せっかくなのにもったいない気も。。

www.reykjavikcampsite.is

ロイガヴェーグル行きのバスの始発点、レイキャビクキャンプサイトのWebサイト。ランドリー等さまざまなサービスを提供しています。予約は不要です。

ロイガヴェーグルまとめ記事はこちら。

rfushimi.hatenablog.jp

装備編はこちら。

【装備編】アイスランド・ロイガヴェーグルトレイルの歩き方

2018年8月にアイスランドのロイガヴェーグルトレイルを歩いてきました。この記事では、歩くために準備した装備や調理用具等をまとめます。

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テント泊 or 山小屋?

まず装備を決める

山小屋の予約はせず、テント装備で行きました。ロイガヴェーグルの山小屋は、予約がない場合日本のように定員以上に人を受け入れることはありませんので、テントを持たずに歩くためには山小屋を全行程予約する (かつ行程通り歩く) という前提が必要になります。日本からも山小屋の予約は可能なようですので、詳しくは他のサイトを参考にしてください。

私たちの場合、出発日の天候が悪いようなら出発を1日ずらしてもよいように予定を組んでいたので、出発時点での山小屋の予定はありませんでしたが、1日目の山小屋に着いたときに次の山小屋に電話で予約できるか確認してもらったところ予約が取れたので、2日目に山小屋に宿泊しました。湖の近くの美しい小屋で、シャワーやキッチンを利用しながら装備を乾かしたりできてすごく助かりました。ロングトレイルがはじめての方は、私たちのようにテント泊装備を持っていきつつ2日目のみ山小屋に宿泊、というのもおすすめです。

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装備

ロイガヴェーグル・トレイルは北緯60度のアイスランドにあるということもあり、夏でも非常に気温が低くなります。日本の山に慣れている方向けに例えると、いわゆる残雪期登山に近い装備を準備したほうがよいと思われます。但し、傾斜は緩いのでアイゼンは不要ですし雪崩等の対策は必要ありません。

具体的な装備のリストはこちらです。細かいものは省いています。

  • ザック (グレゴリー バルトロ85L)
  • ハードシェル (ベータSL)
  • 保温着 (ダウンジャケット, 化繊長袖インサレーション)
  • 肌着 (ジオラインの中厚手)
  • ストック (BLACK DIAMOND、スノーバスケットなし)
  • 3シーズンテント (KELTY TN2)
  • シュラフ (モンベル アルパインダウンハガー#2)
  • シュラフカバー (SOL エスケープビビィPRO)
  • マット (KLYMIT イナーシャオゾン)

日本出発前に試しに詰めた際のパッキング重量は合計21kgほどだったと思いますが、出発直前に測ったわけではないので不正確です。期間中はしとしと長く降る雨が多かったので、撥水加工のトレッキングパンツが役立ちました。完全防水のレインパンツも持っていきましたが、結局幸運にも必要になるほどの大雨はありませんでした。

シュラフモンベル#2 (コンフォート0℃・3シーズン) 単独だと、1日目の山小屋の寒さに耐えられないかもしれません。エスケープビビィ等の保温性のあるカバーを付けるか、#1クラス (コンフォート温度-5℃・4シーズン) を持っていくことをおすすめします。

小屋泊の場合、暖房が効いているので#2で十分です。またレイキャビクのキャンプ場は標高が低いので、夏のあいだは#2で十分でした。

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食べ物

3泊4日のロングトレイルなので、食べ飽きることのないよういろいろと取り混ぜて用意しました。QOL大事!

  • アルファ米
  • サラダパスタ+パスタソース
  • フリーズドライおかず (カレー・ハヤシライス・親子丼)
  • イギリス製のレトルト登山食品 (警戒していたが実はかなりおいしいことが判明した)
  • 野菜1日これ1本 (コンパクトタイプ) x 日数分
  • フリーズドライ系スープ (ポタージュ・味噌汁)
  • あさげ
  • エナジーバー (KIND)
  • みかん

などなどを持っていきました。 雪解け水は豊富で煮沸なしで飲むことができます。小屋にも必ず水場がありますので安心感があります。標高が高く夏でも寒いので、味噌汁に入れるための乾燥麩やわかめを持っていたのはかなり重宝しました。

料理事情

基本はテント泊のときと同じくガス調理です。

テント泊の場合キッチンで洗うことができないので、キッチンペーパーで汚れを取った後、殺菌できるアルコールティッシュで消毒します。キッチンペーパー1巻 (もしくはトイレットペーパー)、ウエットティッシュジップロック等に入れて持参することをおすすめします。

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2つめの小屋 (アルフタヴァトン) では小屋泊にしたので、キッチンが利用できました。アルファ米とレトルトを組み合わせて、ロイガヴェーグルの真ん中にしてはかなり豪華な晩御飯を食べることができました。(荷物を分散できる団体参加者たちはもっと豪華なごちそうを作っていて羨ましかった…)

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最後の小屋 (エムストル) にはテント泊者向けの食事用のビニールハウスがあります。いつ風雨が来るかわからないロイガヴェーグルでは本当にありがたい存在です。

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私はこうして Google に入った (SWE・新卒編)

最近、Googleや大学が開催しているキャリアイベントなどに参加する機会がおおかったので、そこで話したことをまとめて書いてみました。2017年4月入社なので、現在2年目が終わろうとしているところです。

なるべく汎用的に、具体的な対策を中心に書いたので、他の外資系企業の採用面接にも役立つかもしれません。参考にしていただければ幸いです。

応募時の経歴

  • 狭義の Computer Science 専攻ではありませんでしたが (電気情報工学科→学際情報学)、選択科目によってはコンパイラプログラミング言語を自作する実験など計算機科学っぽい科目もありました。
  • 学生のあいだにインターンフリーランスエンジニアとして業務経験がありました (C++ / Obj-C / Swift)。そのことを記載した上で新卒採用として応募しました。

英語力

  • 留学経験・英語での勤務経験はありませんでした。TOEICは800点台でしたが、私は4択問題が異様に得意なのでこの数字は実力より上振れしてると思います。英語を学ぶのは好きだったので、英語論文を読んだり、レアジョブ・DMM英会話で英会話の勉強をしたりしていました。
  • また、iOSのマニアックな開発 (Bluetoothバイス連携や音声波形生成等) は英語の情報源に頼らないと解決できない問題が多く、英語の技術的なドキュメントで使われる表現には多少慣れていました。

英語が不安な方、仕事で英語が使えるようになりたい方は、いわゆる英語の勉強に加えて、とにかく英語で情報収集をすることを心がけるのがおすすめです。

応募の流れ

私はリクルータから連絡をもらい (メールだったか LinkedIn 経由だったかは忘れました)、東京オフィスのSoftware Engineer (新卒) のロールに応募しました。他のロール・オフィスに並行で応募することも可能ですが、あるポジションに応募して落ちたあとに他のポジションを紹介してもらうことも可能です。

事前の準備

最初は日本語で情報収集していたのですが、途中からはすべて英語に切り替えました。

英語ではGoogleによる公式ビデオやガイドがあり、また対策に関する情報も圧倒的に充実しています。有名企業だけあって誤解に基づいて語られる非公式情報も多いので、バイアスを受ける前に先に目を通しておくのがおすすめです。また、非公式ソースは英語でも「いかがですかブログ」のようなクオリティの記事も多いので、Youtube / Quoraなど実名で発信している情報源をおすすめします。


How to: Prepare for a Google Engineering Interview


Interview tips from Google Software Engineers


How to: Work at Google — Resume Tips

英文レジュメ

レジュメの準備が重要だと聞いたので、英語圏の就活サイト等を参考に書きました。

PDF形式での提出が必要なので、LaTeXを使って生成するのが簡単です。TexShopで書きましたが、Overleaf などのオンラインLaTeXエディタにもたくさんテンプレートがあります。

https://ja.overleaf.com/gallery/tagged/cv

  • カバーレターは必要ありません。志望動機などを書く必要もありません。最初は面倒ですが、一度作ってしまえば更新しながら一生使い回せるので便利です。
  • GPAは自分で計算しましたが、記入の必要はないかもしれません。卒業した学部・学科の公式英語名が長く記入が面倒でした。
  • 「履歴書に空白期間が空いている」とかは特に重要ではないです。僕も留年/休学で学部時代が長かったのですが、特に気付かれもしなかったと思います。
  • “M.S. in xxxx” “B.S. in xxxx” の xxxx 部分に関しては、学士 (工学) の部分を翻訳して記入してください。

レジュメの記入方法やサンプルは、アメリカの大学が学生に配布しているガイドラインを参考にするのがおすすめです。 

面接官も事前に読むことが想像されたので、留学経験・Googlerでのインターン経験のある友人にチェックをお願いしました。スペルミスはもちろん、レジュメとして不自然な表現があると目立ちますので、何らかの手段でチェックしてもらうのがおすすめです。例えばDMM英会話では先生に自由な相談ができるので、そこでチェックしてもらうこともできます。

面接対策

いわゆる競技プログラミングは全く手を付けませんでした。個人的には思考過程やコードのメンテナビリティを評価できない評価システムがあまり馴染まなかったためです。ただスコアが可視化されるのは楽しいので、モチベーションになって良いかもしれません。競プロが苦手だったりレートが低いから諦める必要は全くないです。入社後に聞いてみたところ、自分のチームでは競技プログラミング経験のある人は少数派でした (部署によります)。

とはいえデータ構造や計算量の問題は解けるようにしておいたほうが良いと思います。自分はこの本の英語版と日本語版を両方買って読みました。日本語版を先に読んでから英語版を読んで意味が分からないところを日本語版に戻って確認しました。 

世界で闘うプログラミング力を鍛える本 ~コーディング面接189問とその解法~
Gayle Laakmann McDowell https://www.amazon.co.jp/dp/4839960100/

面接の流れ

面接はすべていわゆる『コーディングインタビュー形式』です。面接官は全員ソフトウェアエンジニアです。途中でリクルーターとも会いましたが、彼らは採用評価には関与しません。面接の流れや入社後の待遇等の質問に答えたり、面接をセッティングするのがリクルータの役割です。

面接 (Phone interview)

リモート面接は1回 (45分) ありました。Google Hangouts のビデオチャットを使います。チャットルームへのリンクをメールで事前にメールで共有していただき、それを開いて待っていると面接官が入室し面接が始まります。

 

プログラミング言語JavaScript を希望したので、JavaScript で問題を出してもらいました。面接官が仮定していた解答にコーナーケースでの誤りがあることに気づき、途中からは2人で協力しながらデバッグしていたのを覚えています。

面接 (Onsite interview)

リモート面接に通過した連絡を受けたあと、日程調整を行い、「終日インタビューの日」をセッティングしました。私の場合はランチを挟んで1時間×5回=5時間のインタビューでした。アルゴリズム、一般のコーディング、(経験があると申告した) JavaScriptに関する質問、システムデザインについて等、様々な観点からの質問がありました。

どのステージにおけるコーディング面接も、1時間1セット (休憩や質問タイムは除き、実際の面接は45分ほど) です。面接の問題は面白いものが多く、また面接に最前線のプロジェクトで働くエンジニアを惜しみなく投入していることから、採用に妥協しない精神が感じられました。

すでに有名な話ですが「シアトルにいるピアノの調律師の数」のようなフェルミ推定の問題はまったく出題されません (エンジニアとしての能力には特に相関がないそうです)。

面接 (追加のOnsite interview)

リクルータから「さらに2回インタビューを行いたい」という連絡を受けて、追加のインタビューがありました。私は合計8時間の面接を受けたことになります。

Hiring Committee による審査

これら8回の面接を総合し、「Hire」の判断が下りたあと、Hiring Comittee による審査がありました。これにも通過したので、オファーをいただきました。

オファー

オファーの通知はビデオチャットでもらいました。リクルータから「伝えたいことがあるのでビデオチャットを開いてほしい」と連絡があり、Singaporeオフィスのリクルータ3名にサプライズ合格通知(?)をしてもらいました。(メールを貰った時点で勘付いてはいましたが、)フレンドリーな雰囲気が伝わってきました。

おわりに

Googleに関する情報は他の企業 (例えばメルカリ、Cookpad、Freee、DeNAもしくはIndeed) に比べて在籍者による情報発信が少ない傾向にあるので、なんだか少しさみしいなと思っていたところに、サイトリードの Ryoichi さんからの後押しを見かけて書いてみました。

弊社は英語が必須だったりと万人におすすめできる職場ではありませんが、エンジニアの裁量がとても広く、自由で楽しい職場です。現在 Google ではソフトウェアエンジニアを募集しています (特にiOSチームは人手不足が続いています…)。質問などありましたら fushimir@ や fushimi@google.com にご連絡ください。


他東京でのポジションはこちら
  

 

他の社員の話はこちらでどうぞ。

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ユーラシア横断旅行記 (1-2日目)

年始に旅行の写真や記録の整理をしていたら、5年前の2014年にシベリア鉄道に乗ったときの旅行記が見つかったのでここに2-3日ずつ掲載してみる。

シベリア鉄道は最東端のウラジオストクとロシアの首都モスクワを繋ぐ、世界一距離の長い鉄道路線 (9,289km) であり、直通列車に乗ると終点モスクワまで丸7日間、約160時間かかる。我々は途中のハバロフスクイルクーツクに立ち寄り、全10日間の旅程で旅をした。

今日に至っても相変わらずロシア入国にはビザが必要だし、他の旅行記を読む限りシベリア鉄道にまつわる事情は変わらないように思う。翻って自分はというと、立場はもちろん思い出す限り趣味嗜好は大きく変わったと思う。今や進んでボロボロの三等車の寝台に1週間閉じ込められようという気分になれるとは思えない。

しかし、5年前の自分のように物事を新鮮に体験できることは今でも多いし、大して変わっていないという気もする。なんにせよ「やってみないとわからないことがある」という自分の核となる信念を作り上げた体験のひとつとして思い入れの深い旅行であることは確かだ。

旅行計画を立ててから、自分の父もむかしシベリア鉄道に乗りモスクワ経由でヨーロッパを旅したということを知った。父が旅したのはソビエト連邦崩壊直前であり、経済情勢などは大きく異なったことだろうが、わざわざ鉄道でヨーロッパに行くという判断は当時でも「やってみないとわからない」という衝動に突き動かされなければできなかったことだろう。その心が知らず受け継がれていたことに恥ずかしいような誇らしいようなビミョーな気持ちになったのを覚えている。

旅程

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