ふしみのブログ

英語と旅行のノート

ユーラシア横断旅行記 (3,4,5日目)

6時、車掌にたたき起こされる。8時に降りる予定のぼくたちに気を使って起こしてくれたようなのだが、昨日3時前までしゃべって夜更かししていたぼくはすぐに二度寝してしまいそうになる。とりあえず、シーツと布団を片付けてから、もう一度寝る。。

8時、ハバロフスク到着。人混みで身動き取れず、準備ができない。まだ整理できていない荷物を慌ててザックに詰め込んでいると「伏見さんですか?」と声が。現地ガイドのイリーナさん。

 

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「この駅は終点じゃないから、早く降りなきゃ!」との声に急かされて慌てて出る。確かに、シベリア鉄道で乗り過ごすとうっかりじゃ済まない。イルクーツクではちゃんと準備を気をつけよう。

イリーナさんはハバロフスク在住のロシア人女性で、日本好きが高じて個人で副業としてガイドをしているらしい。彼女のWebサイトを見つけて連絡したところ、朝8時〜夜0時という過酷な条件ながら格安で引き受けてくれた。「いいんじゃなーい?」「おもしろい!」が口癖のとっても優しいガイドさんでした。

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アムールスキー大通り。ちゃんと雪かきされていて歩きやすい。

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ウラジオストクと似ていて、坂が多い街。

中央市場。香港のマーケットと似ているが、価格交渉はない。日本人だと見ると少し釣り上げられている感じがするけど、香港ほどではない。スリッパ200P、Tシャツ200Pくらい、蜂蜜と木のお茶(?)、オレンジを買った。

 

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郵便局で切手を買った。日本までは26P=80円くらい。郵便はすべてモスクワに一度集められてから日本に届けられるので、1-2週間くらいかかる。

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レーニン広場の鳩おばちゃん。

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アムール川の手前の小さな遊園地。冬の間はほとんど乗る人がいない。イリーナさんに、デートでどこいくの?と聞いたら、「散歩」と言っていた。たしかにカップルで街を歩いている人は多かった。

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ウスペンスキー教会と青いバス。

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デパートの映画フロアで映画を見るか悩んだあげく、休憩スペースで1時間くらい寝た。
ベラルーシ映画のラブコメが面白そうだったけど、時間が合わなかったので断念。イルクーツクでは見られるかもしれない。

ロシア料理のレストラン・ルースキーでスープ、ペリメニ、アイスクリームを食べた。

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パンのツボ焼きみたいなやつの中にはいったペリメニ、うまい。

そのあと凍ったアムール川へ。

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ウラジオストクの海に比べると、アムール川は雪が積もっていて真っ白。対岸は空気が澄んでいるので近く見えるが、歩いて20分くらいかかるらしい。

犬も重装備。ライオンみたい。

 

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イタリア風のカフェでシャーベットとフレッシュジュース。最後にウクライナ料理のレストランでキエフ風カツレツを食べた。

 

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列車内は自炊で超節約生活ができるので、街にいるあいだくらいは美味いものを食べようという趣旨。といっても、どちらもだいたい600P=2000円くらいだけど。


最後にキャンベルというスーパーマーケットに寄って、水や食糧などの物資調達。

マヨネーズ売り場。イリーナさんのおすすめのチーズ入りマヨネーズを買う。

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ロシアのビールを買う。ここでは好きな量を指定すれば生ビールを直接ペットボトルに詰めて売ってくれる(だいたい1リットル300円くらい)。ハバロフスク地ビールを買った。このシステム日本に輸入してくれ!

 

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ロシアのビールはスッキリしていて飲みやすい。でもビールにしては度数は少し高いと思う。

ハバロフスクを満喫して、イリーナさんとはここでお別れ。最後にイリーナさんにもらったロシア風の名前「ラマン」がこの後の旅ですごく役に立った。ありがとうイリーナさん!

 

2014年3月11日
2014年3月12日 
 
0:09ごろ、イリーナさんと別れハバロフスクを出発。イリーナさんによると、この列車にはロシアの軍人がたくさん乗っているらしい。

どういうこっちゃ、と中に入ってみると…。

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見まごうことなき軍人である。寝る準備をしているのか全員上裸である。空いてるベッドにはなにやら青とか緑の巨大な箱が詰めてある。銃も持っているらしい(さすがにむき出しではないが)。

うちのコンパートメント以外はほとんどが軍人。しかも同じコンパートメントの下のおっさんは日本人好きの呑んだくれセクハラ親父である。四面楚歌。

最初はこの状況にビビっていたが、夜に英語ができるヤツ(上裸パンツ一丁だったので、のちに赤パンの救世主と名付けられた)が話しかけてくれて、セクハラおやじを退治したのち、おみやげの保存食やビールをくれて、さらに「ウォトカもいる?たくさんあるよ」とコンパートメントに誘ってくれた。

「どうぞどうぞ」と席を勧められ、恐る恐る座った瞬間ガッチリ脇を固められ逃げられない状況。これは、、まあ飲むしかない。イリーナさんがつけてくれたロシア風の名前(ラマン、ユーリャ、ハリトン)のおかげで、すぐに名前を覚えてもらえた。

なかなかのハイペースで飲んでいると(といってもロシア人はぼくらの2倍くらいのペースなんだけど)途中から酔っぱらいのロシア人青年が乱入。軍人と韓国人は英語がわかる人が多かったが、ロシア人青年ディマは「respect」しか英単語を知らないらしい。「トヨタ、リスペクト!」「ホンダ、ノットリスペクト!」「ラマン、リスペクト、ディマ、リスペクト!!(ここで固い握手)」どうやら友好の意を伝えたいらしい。1単語でもなんとか成り立つコミュニケーションは存在するのである。言葉を知らない異国の地ではなんとも勇気づけられる観測事実である。

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ウォトカにはおつまみが重要、ということで、瓶に入ったトマトのつけものみたいなやつと、生ハムを出してくれた。どうやらアントンという奥の軍人は結婚してるらしい。トマトは奥さんが作ってくれたもの、生ハムはアントンが狩猟で取った豚を加工したものらしい。

「子供は何人?」「奥さんきれい?」と聞くと超ニヤニヤしながら「ちょっとまってて」と携帯電話を持ってくる。かわいい。

ロシアではデートはすべておごりらしい。ユーリャにボーイフレンドがいることが知れると「じゃあこの旅行も全部出してもらったの?」、、さすがに一緒に行かないのにそれはないだろ!と思ったが、ロシアでは「pay for her」が普通。結婚する前からすべての出費を男が持つのがあたりまえなのだ。聞いてみると「日本は小さい国、でもロシアは大きい。だからロシア人の男は強い、ぜんぶ払う」という理屈(?)らしい。

ロシア軍人、ひたすら飲む、飲む。眠そうにしていると「No sleep! Drink! It's russian tradition」などと煽ってくる。恐ろしい。ぼくは前日あまり寝ていなかったので午前3時くらいで退散したが、仲間2人と彼らは6時くらいまで飲んだらしい。しかも、9時に起きた時には彼らはシャッキリ起きて降りる準備をしていた。さすが…

彼らがいなくなったあと、普通の車両になってしまって、しばらくぼくたちは一抹の寂しさを感じていた。乗り込んだときはまさか彼らの後ろ姿に寂しさを感じることになるとは思わなかった。。