ふしみのブログ

英語と旅行のノート

こたつで寝るな、ふとん乾燥機を買え

急に寒くなった。

この記事はふしみ Advent Calendar の7日目の記事です。

こたつで寝るのは危ない

家にこたつがある日本人の大半が、そして家にこたつのない日本人の多くがこの季節に抱くのは「こたつで寝たい」という気持ちであろう。

ただ、実際に寝てしまうと床が固いのと狭いのとで疲れが取れない。さらには脱水症状や低温やけどの危険もありろくなことがなさそうだ。

・上半身と下半身の体温に大きな差がある
・体温より高いコタツで異常に汗をかき、脱水症状に陥る

・腸の水分量も失われるので便秘も引き起こす
・狭い中で寝返りなどが出来ず、関節や筋肉にも負担がかかる

・結果的に疲れが取れず睡眠のリズムが崩れる
・のどや鼻が乾燥して風邪をひきやすい

コタツで寝るのは危険! 最悪、死に至ることも…

しかしながら、夜にこたつに入ってしまうと、寝るために温かいこたつを離れわざわざ冷たい布団に入るのがどうしても億劫になる。「暖気がもったいないから」という理由でこたつの電源を切ってもこたつに居続けてしまうという謎ムーブを発動させてしまう。

そんな皆さんに私が発見した完璧なソリューションを提供しよう。それはふとん乾燥機を買うことである。

 

暖房器具としてのふとん乾燥機 

三菱電機 ふとん乾燥機 ホワイト AD-X50-W

三菱電機 ふとん乾燥機 ホワイト AD-X50-W

 

 

ふとん乾燥機はふとんを乾燥する機械だと思われがちだが、我が家では主に暖房器具として利用されている。

ふとん乾燥機というのは、つまり、ホースから温風が出る機械である。これを布団に突っ込むと、布団と同時に人体があたたまる。

寒い時期になると、ふとんに入っても5分ほどはふとんに熱を奪われる状況が続く。すとん乾燥機があれば開始10秒で手に入るのである。しかもエアコンと違い温めるのは布団の中のみ。圧倒的にエコであるし、空気も乾燥しない。

 

ふとん乾燥機は実質こたつ

暖房器具としてのふとん乾燥機が活用できるのは就寝時に限らない。ふとん乾燥機を装備したふとんは、「テーブル部分のないこたつ」と考えることも可能である。そう考えるともはやこたつは必要がないのではないかと思えてくる。

次は今日飛ばした「最近やばいと思った人3人」の記事を書きます。

adventar.org

キャンプでひたすら料理するのが楽しかった

この記事は ふしみ Advent Calendarの6日目です。 

ひたすら料理するキャンプがやりたくなったのでやってみた。作った料理の記録がてらレポートを書いてみる。ちなみにキャンプは初めてです。

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場所は山梨県の道志の森キャンプ場。

キャンプ未経験なのでいろいろと調べた結果、安くて焚き火ができるフリーサイト (区画のない) のキャンプ場ということで選んだ。圧倒的広さと自由な雰囲気が特徴らしい。事前の支払いすら必要なく、適当にテントを張っていると係のお兄さんが原付で代金を回収しにくるというラフなスタイルであった。

野山に囲まれた場所で、焚き火のための枝も無限に集めることができる。 大人5人がかりで小一時間集めて相当な量が集まった。

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作ったもの

ソーセージ

事前にひき肉とスパイス等を混ぜ、腸詰めできる状態にしたものを持っていった。

写真は家での実験の様子。

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ソーセージ作りに必要なのは基本的には口金と腸の2つのみ。口金、絞り袋は製菓用のものでも利用できるらしい。

 

天然羊腸ウインナー(中太)用 1袋約2m 4袋セット

天然羊腸ウインナー(中太)用 1袋約2m 4袋セット

 

現地でみんなで腸詰め。これをグリル台で焼いたり、次に登場する燻製器で燻製したりして食べた。

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ちなみに、スーパーで入手できる材料でソーセージを自作すると、どうしてもボソボソとしてしまう。これはこれで手作り感があってよいのだけれど、もし流通しているものに近いプリっとした食感のソーセージを作りたいのであれば、「リン酸塩」を使うことをおすすめする。

今回はリン酸塩あり・なしでの食べ比べを行ったが、無添加のものはツナギのないハンバーグのような食感でどうしてもボソボソ感が目立ってしまった。

リン酸塩のみを小売してくれる業者はなかなかないが、ソーセージ用に使われる添加物をミックスしたものならここで入手できる。手作りなら量も調整できるのでお好みのプリプリ感を追求していただきたい。

www.garden-cook.com

絞り袋から絞る作業はなかなかの力仕事なので分担しながら頑張ろう。

燻製

手軽なアウトドア燻製器といえばSOTOのスモークハウス。

ソト(SOTO) 燻家 スモークハウス ST-114

ソト(SOTO) 燻家 スモークハウス ST-114

 

今回はベーコンや煮玉子、そしてソーセージなど大量の燻製したいものがあったのでダンボールで大きな燻製器を自作した。

分離式のバーナーを中に入れてステンレスボウルに入れたチップを加熱する仕組み。中でダンボールのボディに引火しないよう底面と側面にアルミホイルを貼り付けておくのがおすすめ。 

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定番のチーズ・煮玉子に加えて手羽先・ベーコンも作った。

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ベーコンは1週間ほど前から塩漬け→塩抜き→乾燥する必要がある大物。頑張った甲斐のあるおいしさであった。

興味のある人はここらへんの記事を参考にぜひやってみてください。自家製ベーコンは少し薄味に調整して作ると厚切りでバクバク食べられてよいですよ。

www.hotpepper.jp

ピザ

当初は本格的な石窯設備のある山伏オートキャンプ場を検討していたのだけど、予約が取れなかったので、こういう簡単なピザ焼き器を使ってピザを焼いた。

4-5人分のパーティサイズのピザにちょうどいい。上に炭を載せるとカリッと仕上がっておいしいらしい。

薄力粉を忘れるという大失敗があったが、目を離しているすきに強力粉100%なのにおいしいピザが完成していた。ありがとう。

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ダッチオーブン

今回借りた装備の中では一番大活躍した。鋳鉄のずっしりした鍋で、煮物のほか無水鍋のような蒸し焼きも得意。

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これはスペアリブバーベキュー、オレンジソース。オレンジマーマレード・醤油をベースにしたタレに漬け込んだスペアリブを根菜と一緒に蒸し焼きにするだけ。すばらしくうまい。レシピは適当に検索してくれ。

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ソーセージと手羽先の燻製の残りを焼いてみたりもした。

ダッチオーブン、最初は鉄フライパンのように焦げ付きやすいイメージだったけど、厚い鋳鉄でできているのでその心配はないらしい。むしろ蓋を開けずに放置するのが正しい調理法。

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ガーリックチップス

もともとは『山と食欲と私』で紹介されていた凶悪な料理。f:id:rfushimi:20181212001058p:plain

 

作り方は簡単。ニンニク・唐辛子・生タイムをオリーブオイルで揚げ、堅揚げポテトと和える。焚き火台がダッチオーブンでふさがっていたのでネイチャーストーブで。

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薪焼き

作ってもらったのでレシピはよくわからないけど美味しかった。ワイルドな肉料理が多いので、スーパーで生のタイムを見つけたら一房買って持っていくと役立つ (成城石井やプレッセなどに置いている)。

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そのほか

パエリア。学芸大学のハナマサで見つけた鍋つきのパエリアキットを使った。

こいつに限らずキャンプでは使い捨ての容器付きの料理キットが活躍する (アルミ容器付きの鍋セットとか、ポップコーンキットとか)。

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豆を挽いてコーヒーを淹れてみたりもした。コーヒー関連のものは割れ物が多くて持ち運びが怖かった。

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じゃがチーズバター。アルミホイル大活躍。ハナマサで業務用の50mのものを買って持っていくべし。

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他、コーンバターごはん、焚き火で溶かしたマシュマロをビスケットで挟んだ「スモア」などなど。 

料理以外のアクティビティはあまり用意していかなかったので、やることがなくなって暇にならないか若干心配していたのが、むしろ品数が多すぎて忙しいくらいだった。料理だけでしっかり楽しめた。

 

次のふしみ Advent Calendar は「最近やばいと思った人を3人紹介する」です。お楽しみに。

adventar.org

輪っかじゃない "Loop"

Loop という単語はなぜかメールやグループウェアと相性がいいらしく、身の回りでかなり頻繁に使われている。ただ用法が少し抽象的で、なかなか「輪」という意味のイメージと結びつきにくく、すぐに意味が出てこない。Appleの辞書にも用法が載っていないのでまとめてみた。

 

"(Please) Keep us in the loop"

「私達を輪の中に入れてください」=「何かあれば連絡ください」「関連する話題があったらCCに入れてください」という意味で使う。

 

"Add him/her in the loop"

誰かをCCや入れたり、関連するSlackグループに追加するときに使われる。

 

"Close the loop"

「伝わったことを確認する」「コミュニケーションを完結させる」英語圏の人は、要件が完了したり必要な情報が手に入ったりした時に確認のメールを送らない人も多い。丁寧に確認メールを送ると "Thanks for closing the loop!" と言われることもある。

また「輪を閉じる」=「サイクルを作る」という意味で、リテンションマーケティングや、リサイクルの文脈でもよく出てくる。

 

角幡唯介『極夜行』極限の暗闇を犬と旅する3ヶ月

探検家、角幡唯介の本。「極夜の冬の北極海を歩き、太陽を見ない数カ月を過ごした時、自分が何を思い、どのように変化するのかを知りたかった」という動機で始まる探検記。

探検家という人の考えを知るというのは初めての機会だった。どうにも胡散臭いイメージがあったが、すでに「型」の確立された有名な山に登る商業登山家などとはと異なり、探検とはなにか、GPSや飛行機のあるいま何が「探検」と呼べるのかを常に考え続け、立ち向かう価値のあるリスクを探し続ける生き方がかっこいいなと思った。

ちなみに、旅のお供として連れ歩く犬がとてもかわいい。とてもかわいいのだが、北極圏の探検家にとっては犬は非常用の食糧でもある。角幡は果たして食糧難に陥ってしまい、真剣に犬を食糧に入れた残日数をカウントしなければならない状況に至る。「犬を食べてしまう」という悪夢に魘される日々。この他にも、自分の生活から最も遠い非現実的な話でありながら生々しさのあるエピソードが多く面白い。

極夜行

極夜行

 

 

今度こそ絶対に継続できる、ToDo管理の続け方

いままで様々なToDo管理方法を試し、そして挫折してきた。Excelスプレッドシート、手帳やテキストファイルなど、主にはGTD (Getting things done) のフレームワークを使って様々なソフトを試し、ことごとく挫折してきた。

続いたのは長くて1日から1ヶ月。仕事や事務手続きなど「必ずやらなければいけないことの備忘録リスト」としては機能するのだが、それ以外の日常のタスクや勉強などを記録しようとした途端に破綻してしまうのである。

 

そんな過程を経てたどり着いた、ToDoリスト管理を成功させる1つの秘訣を教えよう。それはすなわち

「できること」しか書かない

ということである。正確には、「現在行動可能である = Actionable」、かつ「やる理由がある = 締切がある or 自分からやりたいと思っている」のどちらか以外を載せない。これだけで絶対に破綻することがなくなる。少なくとも私は、現在のToDo管理の習慣を2年以上維持している。

極端な話であれば、例えば「本当はジムに行きたくない」のに「ジムに行く」というToDo項目を作成すべきではない。できないからである

 

…それなのに人は、ToDoリストを七夕のお願いかなにかと勘違いして、「将来の自分がジムに行っていてほしい」という願望を書き込んでしまう *1。結果として、「ジムに行く」はあなたのToDoリストに「締切を過ぎた項目」として残り続ける。ToDoリストを見て「ジムに行けない自分」を後悔することに脳のリソースが僅かながらに消費され、そういう項目が増えるたびに、「できること」を探すのにかかる時間は積み重なる。

「ジムに行く」は単純化しすぎた例かもしれないが、少なくとも本を読む、勉強をする等の、意志エネルギーの必要な時間のかかる項目はToDoに作るべきではないだろう。

未来のことは書かない

もうひとつの典型的な「できないこと」の例は「未来のこと」である。ToDoリストは「未来の自分がやることリスト」であるが、「今できないこと」を書くべきではない。返事待ちだったり、ある日付以降でないと遂行できないタスクは、カレンダーに入れるか別のフォルダにまとめるのがいい。メールの返信系は、メールアプリで管理するのが(返信・未返信の Tracking が煩雑になりすぎる)。

逆に、「すぐにできる」ことなら積極的に、今すぐできる細かいことでも書くべきである。自分は、すぐにできるけれど後でもいいこと、「LINEを返す」「facebookのメッセージを見る」「朝見つけたブログの続きをよむ」くらいの項目も入力してしまう。いったん書いてしまえば、忘れられるし、それを始めてしまって集中が途切れることもない。

「できないこと」はガンガン消そう

大切なのは「できないこと」をToDoリストに書かず、「できなくなってしまったこと」を1つでもToDoリストに残さないことである。「できないこと」は消してしまうべきだ。「できるチャンス」があったのに達成されていない項目は、それは本当は「いまはできないこと」だということにしよう。例えば3日ジムに行けるチャンスがあったのに行かなかったときは消しておこう。

それでもやらなければならないことはある。「論文のサーベイ」「引越し業者の見積もり」など、3回チャンスを逃したがやる必要のある、すなわち取り掛かるのにどうしても意志のエネルギーが必要なタスクを見つけたら、できるかぎり事前にタスクを具体化して、未来の自分のためにしんどいパートをこなしておいてあげよう。「Google Scholarでキーワード○○を探す」に書き換えたり、引越し業者の電話番号を調べてワンタップで電話できるようにしておくとか。そうして書き換えた項目については、少しだけ「延命」してもよいことにしよう。

もし消してしまうのが惜しければ、上司の居ない日や、予定のない週末に見返すための「いつかやる」フォルダに入れるといい。そしてそこにある項目を達成できたら、自分をたくさん褒めてあげるといい。

何が起こるか: ToDoリストを見るのが楽しくなる

こうして意識して「できること」だけが並んでいるリストを作るとどうなるか。ToDoリストを見ると、行動可能なことが並んでいる。優先順位順にこなしていってもいいし、締切順にやってもいい。自分のやりたいことだけやってもいい。おめでとう! あなたはやっと真のToDoリストを手に入れた...。

とはいえ、できないことを消したり、できることに変換をし続ける実践はそれなりに難しい。実のところ、ものごとを遂行していく難しさは結局「できないことを消す」ことの難しさに帰着することに気づくだろう。それでも、ものごとに取り掛かれず無駄にする時間はぐっと減るはずだし、そのぶんこの「本質的な」難しさにかけられる意志のちからを残しておくことができる。

 

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おそらく「できることしか書かない」を徹底するための実践は、結局のところ書籍「Getting things done」で行われていることにかなり近くなってしまうかもしれない。

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GTDフローチャートhttps://www.kikakulabo.com/gtd/ より引用

ただこのフローチャート自体が我々トリアタマにとってはかなり複雑なので、まずは「できることだけを列挙したリスト」を作ってしまうことから始めるのがいいと思う。だがもしもGTDという実践のフレームワークそのもの興味が湧いたら、数年前に改訂されたこの書籍がお勧めだ。

全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

 

MaciOSのみの対応だが、Things 3というGTDの実践に特化したアプリはよくできていて、触っていて楽しい (続けるのに意外と大切な要素だ)。

The all-new Things. Your to-do list for Mac & iOS

 

*1:みんながみんなそんなにアホではないかもしれない。だがこれはまさしく自分が繰り返してきたことなのだ

would のこころ

英語を使って仕事をするようになって1年半が経った。よく「学校で習う英文法なんて役に立たない」という本を読んだりするけど、結局の所さすがに1年半も英語だけで暮らしていると、特殊な倒置表現など以外のほぼすべての英文法は実戦で出会うことになるし、それらを使わないとうまく表現できないシチュエーションにも遭遇する。受験英語をバカにする人も多いが、必要不可欠な文法項目を過不足なく網羅できているという意味では日本のカリキュラムはよくできているのだ。

 

しかし、受験英語であまり登場しなかったのに、実生活では大活躍する文法というのはいくつかある。その中の最重要と言っていいのが、助動詞 "would" の用法である。 would は実は助動詞の中でかなり日本語らしい、柔らかい響きを生んでくれる単語なので、覚えておくと日本語で思い浮かんだ伝えたいことをよりダイレクトに翻訳できるようになるし、仕事でも「こいつはニュアンスをちゃんと伝えられるやつだ」と信頼を置いてもらいやすくなる。

 

では、実際の would の使われ方にはどういうものがあるのだろうか。譲歩、謙遜、丁寧な勧誘、などという用法の分類が並んでいるけど、とりあえず would の「こころ」はこれである。

would = 仮定法「もし〜だったら」の省略、特に「もしあなたの立場だったら (if I were you, )」の省略

説明の前に1つ例を挙げよう。日本で英語を話すときには、「教える」「教わる」というシチュエーションは避けて通れない。東京観光のプランにアドバイスをしたり、仕事のメンタリングをしてもらったり、そういうときに「こうすべきだと思う」と伝えたいシチュエーションは多い。

例えば東京に詳しいあなたが、アジアに初めて来る友達にアドバイスする、というような知識に差があるシチュエーションだと、つい直訳して "I think you should -" と言ってしまいがちだが、実はこの表現はかなり押し付けがましく感じられてしまう。

I think you should skip Tokyo tower. You should visit new museums instead.

あなたは東京タワーに行ったことがあるので、「東京タワーの施設は古くてガッカリするかもしれないし、展望台も大して高くないから、近くの美術館の方がオススメだよ。」と言いたいのかもしれないけど、「You should」という表現は、「その友人はタワー建築に興味があるかもしれない」などの可能性を考えていないことを表してしまい、大げさに言えば「どうせ目立つ建物だから東京タワーを選んだんだろうけど」というニュアンスになってしまいかねない。特に北米圏では、こういった相手の価値観や判断に立ち入った表現というのは明確に「失礼」だと学校で教わるらしい。

 

こういうとき、英語ではよく「私」を主語にした表現をする。

I would skip visiting Tokyo tower. (if I were you / if I were in your position)

(私なら) 東京タワーはやめておくかな。

"I would" と言ったときには、だいたいこのカッコ内が省略されていると思ったほうがいい。あなたの上司が "I would not do in that way" と言っていたら、「好みって人それぞれなんだなあ」と考えるべきではない。「俺ならそうはしない」すなわち平たく言えば「そのやり方は間違っている」と言っているのである。 このことを知らないと大変な目に遭うことがある...。こわいこわい。

 

would はおすすめする時にも使える。recommend, suggest などの動詞の場合だと (あなたが私なら) の省略と考えるのは不自然だけど、この場合は (もしも私があなたにお勧めできる立場であれば) の省略、というニュアンスで考えたほうがいいかもしれない。

I would recommend museums nearby instead.

(私があなたにおすすめするとしたら) 近くの美術館をおすすめします。

 上司から意見を聞かれた時などにもシチュエーションにもよく使う。

I would choose the second idea.

(私などはアイデアを選ぶ立場ではないのは承知の上ですが、もし私が選ぶ立場にあるとしたら) 2番目のアイデアを選びます。

文法書にこれらの would は「控えめな意志」「丁寧な勧誘」などと説明されているが、これらはすべて「もし〜なら、〜した」という形で説明できる。すなわち助動詞 would の「こころ」は仮定法なのだ。*1 *2

would は丁寧なニュアンスだけではなく、嫌味や皮肉などネガティブな表現にも使われます。日本語の謙譲語と同じですね。

A human would not curse old lady like him.

人間ならば彼のように高齢の女性を罵ったりしないでしょう (=アイツはマジ人間じゃねー)

上司にありえない失礼な指摘をした後輩を愚痴るときなどにも。

Would you say that? I wouldn't.

あなたがその後輩の立場ならそれを言いますか? 私なら言いません。(普通それ言う? 黙っとくよね)

それでは、みなさんも would を使って仮定法ハッピーライフを!

 

 

*1: Would といえば "I would like to", "would you like" が先に出てくる人も多いかもしれないが、実はこれらの用法は、メインの用法から派生した慣用表現として掲載されている

*2: could もそうであるが、体感ではwouldのほうがはるかによく使われると思う

ここ3年くらいを振り返る

2018年のとりあえず目標は低く、毎日140字以上の記事を公開することにする。とりあえず手始めに、ここ3年間くらいで取り組んだことなど近況を振り返ってみることにした。

2018

今の会社も2年目になり。半年間ほどの大きなプロジェクトを担当したり、初めてインターンをホストしたりとだんだんと仕事にも慣れてきた。同僚と旅行に行ったり、外国籍エンジニア女子たちのために英語で合コンを開催したりした。前半は先輩2人が退職+1人が移籍でまさかのチームに2人という事態になったものの、秋には新しいマネージャ、さらに2人新卒の後輩もチームに加わり、なんとかチームらしい形を取り戻した。チームや組織図上での変化は大きい年だったが、マネージャの「変化は大きいけど、毎日やることは変わらないはずだから安心して」という言葉通り、日々の仕事には意外と大した影響のないことには驚いた。

行ったところ:

1週間の旅行を2回もしたせいで9月には有給をほぼ使い果たしてしまった。謎に台湾に2度行っている。アイスランドのロイガヴェーグルトレイル完歩がいろいろな意味で人生の中でも指折りの印象に残る体験だったので、別の日にブログに書く。

登山は大菩薩嶺筑波山、涸沢のほか、先に述べたロイガヴェーグルベイエリアのPoint Reyesも歩いた。

2017

修論を提出して、4月に会社に入社した。ラボで作った『電気刺激で誰でもビブラートの効いた美声を出せるデバイス』というネタをなぜかテレ朝のディレクターに拾っていただいて、テレビに出演するなどした。3月に学会で、5月に入社研修でベイエリアに行く機会を得た。2015年の制作展で作った『ある声について』から、2年間「声」をテーマに色んな角度から何かを作り続けられたのは、飽きっぽく軸が見えづらかった自分をなにか変えられたようでよかった。

6月には4年近く暮らした根津を離れ、会社に近い中目黒に引っ越した。中目黒に住むとという選択は「中目黒代」を払っいるような気がしてしまい避けようとしていたのだけど結局便利さに負けてしまった。結局住環境もよくご飯も美味しいので大変気に入っている。意外とキラキラはしていない。

夏は前年にやったプロジェクトを発展させて金沢の21世紀美術館で展示させていただく機会をいただいたので、9月までは展示準備・設営で忙しかった。そんなこんなで意外と仕事以外のプロジェクトの多い1年だったので、どうやって今の職場環境に馴染んでいったかなどはあまり覚えていない。なんとかなった。

行ったところ:

2016

博報堂でPechatの開発をした。1月に企画書を見せられ「SXSWでデバイスを展示したい」というので来年の3月かと思いきや2ヶ月後、、というスピード感のあるオリエンを受けた。プロトタイプアプリの制作と、製品版への技術的アドバイスや音声変換ライブラリの開発、TTSエンジンの組み込みなどが主な仕事だった。信号処理 (ピッチ・スピード変調や基本周波数検出)、CoreAudioプラグイン開発などが主な技術的な難しさだった。修論でちょうど自己音声知覚に関する研究に取り組み始めたところだったので、仕事で学んだことを修論に活かすことができて助かった。

行ったところ